メシオの読書日記

読んだ本の感想を更新していきます

【書評】『直感と論理をつなぐ思考法』~個人や組織において圧倒的な結果を出し続ける思考法を学べる一冊~

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圧倒的な結果を出し続けている会社やチームの陰には、「これがやりたい!」という強い想いを持った人たちがいる、と著者は主張します。そして、その想いを「単なる妄想」で終わらせないためには、「直感」を「論理」につなぎ、「妄想」を「戦略」に落とし込むことが重要であると説きます。本書では、そのための思考法であるビジョン思考について学ぶことができます。

 

普通に生きていると「自分がどう感じるか(自分モード)」よりも、「どうすれば他人が満足するか(他人モード)」で考えてしまいます。ビジョン思考により圧倒的な成果を出すための大前提として、“今ココ”にいる自分へ注意を引き戻すことが重要であり、本書ではそのための具体的なアドバイスを提示します。

 

ビジョン思考の具体的なメソッドは、妄想→知覚→組替→表現のサイクルからなります。PDCAサイクルをベースとした「カイゼン思考」とは異なり、論理から始めない点が新しく、評者は読み始めた当初、理解が追い付きませんでした。しかしながら、各フェーズにおけるポイントや具体的な手法が多数掲載されており、読み進めるうちに理解が進みました。

 

評者は製造業の技術者であり、PDCAサイクルをベースとした「カイゼン思考」で日々の業務改善をしてきました。しかしながら、高度IT化や働き方改革など、外部環境が大きく変化する中で、従来の「カイゼン思考」による直線的な成長だけでは対応しきれない状況も発生していると実感しております。それに対し、個人の中から湧き出る「妄想(ビジョン)」を駆動力にし、ビジョン思考によりトライ&エラーを高速で回すという戦略は今の時代に対応するために非常に有効な思考法だと思います。

 

成功するプロジェクトには「自分モード」で「妄想」を持った人がいます。そして、その妄想を「単なる妄想」から「価値あるアイデア」へ昇華させる思考法を本書は与えてくれます。個人や組織において圧倒的な結果を出し続ける思考法を学べる一冊です

 

直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN

直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN

 

 

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【書評】『天才を殺す凡人』 ~職場の人間関係に悩むすべての人へおすすめの1冊~

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本書では、才能を「ビジネスの世界で必要な三つ」に定義し、その才能を生かす方法を段階に解き明かしていきます。本書を読むことで「どうやって、自分の才能を段階的に高めるのか」「自分の才能を仕事で活かす、具体的な方法」「組織が異なる才能をコラボレーションさせる方法」のヒントを見つけることができます。

 

本書では、人を「天才」「秀才」「凡人」の3種類に明確に定義し、それぞれの価値判断の「軸」が異なるために別種の人間同士で話し合っても伝わりにくいと説明しております。自身の所属する組織メンバーに置き換えて考えてみると、腑に落ちる個所が多く、非常に納得感がありました。

 

さらに、「凡人は天才よりもはるかに多く存在するために、多数決のナイフにより凡人は天才を殺しうる」、「異なる軸を持つ者同士の橋渡しをする人間がいる」といった組織におけるコミュニケーションを円滑化するヒントが数多く述べられています。

 

本書は「才能」という実態のない概念に対して、真正面から考察した1冊です。テーマは重たいですが、青野という35歳の男性サラリーマンを主人公としたストーリー仕立てで非常に読みやすく、小説としても面白いです。

 

サブタイトルに「職場の人間関係に悩む、すべての人へ」とあるように、老若男女あらゆる人に得るものの大きい一冊です。

 

天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ

天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ

 

 

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【書評】『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』〜デジタル化時代の今とこれからについて深い洞察を得られる一冊〜

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本書のタイトルとなっている「GAFA」とはグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの4つの企業の頭文字をとったものです。これら4つの巨大企業の出自や戦略を分析することは、デジタル化時代のビジネスへの理解に直結すると著者は主張します。本書では、各企業の戦略分析に加え、そこから得られる教訓についても述べられています。

 

GAFAの共通点の一つとして「膨大なデータとそれを活用するAI」が挙げられています。デジタル化時代にデータは宝の山であり、データへのアクセスと活用をどう設計するか、が肝要であることを学びました。評者は製造業の技術職として日々データを扱う立場ですが、IOT化を進めてデータの有効活用を推進すべきだと改めて実感させられました。


グローバル化したGAFA以降の世界では超優秀な人材のチャンスが増える一方で「凡人」は苦戦を強いられる、と著者は主張します。本書では、「自分をアピールするメディアを持つ」「新しい技術をまず使ってみる」など、凡人の中で抜きん出るために必要な要素についても述べられています。


GAFAの戦略とその脅威に関する考察はデジタル化社会を理解するための最高の教科書になると思います。そして、「便利な生活の裏で私たちは何を手放したのか?」という問いは、読者に現代のデジタル化社会について改めて考えさせる最高の問いだと感じました。情報量の多い本なので、本書評で興味を持たれた方は是非通読いただきたいです!


デジタル化時代の今とこれからについて深い洞察を得られる一冊です!

 

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

 

  

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【書評】『1分で話せ』〜短時間で聞き手に伝える方法論を学べる一冊〜

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著者は「90%の人は1分で話せないばかりに損をしている!」と断言します。本書は「論理的な話し方」や「プレゼン」の本だけではつかめない「何倍も伝わり方が変わる」方法を紹介しています。

 

評者はメーカーで生産技術関連の仕事を担当しており、日常的に業務改善に関するプレゼンをしています。経験によりある程度説明スキルは身につくものの、本書の体系化された「伝える技術」はシンプルでありながら、参考になる点が多々ありました。

 

「1分で伝える」の基本形は、1つの結論と3つの根拠をピラミッド構造で整理し、しっかり述べることです。つまり、「私の結論はこうです。根拠は3点あって、1点目はこう、2点目はこう、3点目はこうです」という感じです。さらに、本書では、「1分で伝える」の先に、「聞き手にその気になってもらう」「聞き手に動いてもらう」があり、それぞれのポイントについても述べられています。

 

本書の技術を血肉とし使いこなすことができれば、的確に情報を伝達し聞き手を動かせる可能性が高まると思います。シンプルかつ平易な文章で書かれており、数時間で読み切れる内容ですので、気になった方は是非一度手に取って読んでみてください。

 

短時間で聞き手に伝える方法論を学びたい方にオススメの一冊です。

  

 

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【書評】『読書の技法』~読書によるインプットの量と質を高めるヒントを得られる一冊~

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 作家で元外務省主任分析官の佐藤優の著書です。著者は月平均300冊以上の本に目を通し仕事に活用しているそうです。本書では、そのような著者の読書法が体系的に整理されており、そのエッセンスを学ぶことができる一冊です。
 
 特に参考になったのが、「気になった本を4通りに分類して対応を変える」という考え方です。読まない、超速読、速読、熟読の4分類があり、読み方を明確に変えることで多くの本に目を通し、インプットの量を増やすことができることを学びました。
 
 また、各分類の読み方について、押さえるべきポイントが紹介されています。「完璧主義を捨て目的意識を明確にする」や「重要個所をノートへ抜き書きし、自分の判断意見をコメントとして付ける」など、インプットの質を高める具体的な方法についても学ぶことができます。
 
 読書法に関する本は何冊か読みましたが、本書で紹介されている手法が評者にとっては最も実用的で参考になりました。著者ほどの多読にははるかに及びませんが、読書によるインプットの量と質は向上していると実感しております。
 
 読書による学びを効率化したい全ての方にオススメしたい一冊です。
 
読書の技法

読書の技法

 

 

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【書評】『世界基準の上司』~チームのアウトプットを最大化するための上司の在り方を示す一冊~

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本書では上司として持つべきマインド面のポイントに加えて、部下育成、及び、チームマネジメントのための具体的な仕組みやツールの紹介をしてします。

 

特に、中長期的な部下育成に活用できる資料フォーマットの紹介が秀逸でした。目標と評価を見える化し、上司部下間で共有する資料であり、読了後に私の職場で使い始め、既に効果を実感しています。

 

また、部下に仕事を任せる際の資料フォーマット及び運用の仕組みも紹介されています。自己流になりがちな仕事の振り方をフォーマット化する事で部下のアウトプットが安定すると思います。

 

この本で学んだ知見を活用するうちに部下自身が自ら考え動くようになり、部下とのコミュニケーションも円滑化され、チームで仕事を進めやすくなっています。

 

部下を持つ全ての方に是非一読いただきたい一冊です。

  

世界基準の上司

世界基準の上司

 

 

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【書評】『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』~AIと共存する未来における基礎知識と生き方のヒントを得られる一冊~

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著者は東ロボくんと名付けた人工知能で東大合格を目指すチャレンジを続けてきた数学者です。この本では著者が東ロボくんチャレンジや並行して進めてきた調査から推察するAIによる未来を描いております。

 

本書では、東ロボくんチャレンジや学生の学力テスト結果から、AIと人間それぞれの得手不得手について考察しております。具体例を元に説得力のある考察を展開しており、AIとは何なのかについて理解を深めることができます。

 

さらに、著者は調査結果から推察するAIと共存する未来についても描いております。AIと人間の得手不得手を元に、今後生き残る職業や企業が求める人材像について鋭い考察を繰り広げております。

 

本書を読めば、AIとは何か?私達の生活や仕事にどのような影響を及ぼすのか?がよくわかります。そして、AIと共存する未来を生き抜くために今何をすべきか?について考えるヒントを得られます。

 

技術者のみならず、これからのAI時代を生きる全ての皆様にオススメの一冊です。

   

 

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